Ⅰ 研 究 主 題

生涯にわたって主体的に心身の健康づくりに取り組み、健康で安全な生活を営む能力や実践的な態度を育てる健康教育はどのようにすればよいか。

Ⅱ 主題設定の趣旨


  中学生の健康問題は、
都市化や情報化等の社会環境の急激な変化に伴い、近年ます
ます深刻化している。健康に関する現代的課題としていじめや不登校等の心の健康問
題、食生活をはじめとする生活習慣の乱れ、生活習慣病の兆候、喫煙・飲酒・薬物乱
用、性に関する問題、感染症の新たな問題、災害時における安全の確保等があげられ
る。これらの複雑で多様化した健康問題に対応していくには、ヘルスプロモーション
の考え方を生かし、生涯にわたって健康で安全な生活を営むための基礎を培うことが重要である。
学校における健康教育は、生徒の健康の保持増進に必要な知識や技能の習得、身近な健康問題を主体的に解決していくための能力や実践的な態度を育てることにある。そのためには、生徒一人一人が自分の健康課題に気づき、自ら健康な行動を選択し、決定し、実践していくことのできる「生きる力」につながる健康教育の推進が必要である。
 そこで、これまでの研究の成果を踏まえ、健全なライフスタイルの確立を目指して、健康づくりへの関心や理解を深め、主体的に健康な生活を継続することができる生徒の育成に焦点を当てて研究を進める。
 

Ⅲ 研究のねらいと内容

1 研究のねらい

   自らの健康課題に気づき、考え、主体的に追究し、継続して実践することがで  きる生徒の育成を目指す健康教育の推進
 
2 研究内容
    
(1) 学校の実態や生徒の発達の段階を考慮して、健康課題を焦点化し、教科や他領域との関連を図った学校保健計画を工夫・改善する。
(2) 継続的に健康づくりを実践していく能力を育てるために、目標設定、実行、評価、改善のマネジメントサイクルを生かした健康教育を推進する。       
(3) 校内での共通理解を図り、家庭や地域等と連携しながら、組織力を生かした健康教育を実践する。
 
 

保健部会 平成24年度研究計画

Ⅰ 研 究 主 題

 生涯にわたって主体的に心身の健康づくりに取り組み、健康で安全な生活を営む能力や実践的な態度を育てる健康教育はどのようにすればよいか。
—自分の健康課題に気付き、考え、健康な生活を実践するための指導の工夫—

Ⅱ 主題について

  中学生の心身の健康や安全に関する諸問題は、社会の急激な変化とともにますます複雑になり深刻化している。例えば、夜型の生活から生じる生活リズムの乱れや睡眠不足等によるストレス耐性の低下、希薄な人間関係から生じるコミュニケーション能力の低下等が複雑に絡み合い、それらが心身の不調和を引き起こしている。このような社会的背景から現代的課題として、いじめや不登校等の心の健康問題、食生活をはじめとする生活習慣の乱れ、生活習慣病、喫煙・飲酒・薬物乱用、性に関する問題、感染症の新たな問題や災害時における安全の確保と心のケア、メディア利用の問題等への対処が必要とされている。
  このように多様化している生徒の心身の健康問題に対応するためには、自らの健康を適切に管理し改善していく思考力・判断力等の資質や能力を育成するとともに、健康で安全な生活を営む実践的な態度を育むことが必要であり、健康教育の充実が求められている。
 昨年度の実践を通して、学習したことを振り返る場や、話合い・ロールプレイング等の生徒同士が関わる場を工夫することが、生徒の健康課題の気付きにつながると分かった。また、保健学習、学級活動、学校保健委員会等の多様な機会を活用することにより、健康課題の解決への見通しをもたせ、実践に向けての意欲を高めることが明らかになった。今後は、意欲を継続しながら、実践の中で気付いた改善点を次の実践につなげていくための指導の工夫が必要であると考える。
そこで本年度も、実態に応じて健康課題を焦点化し、課題の解決に向けて組織を生かした企画・運営に努め、目標設定・実行・評価・改善の一連の指導を積み重ねながら健康教育を推進することにより、主題解明に迫りたい。

Ⅲ 研究内容とその視点

1 指導計画の見直し及び指導の推進
(1) 健康診断や健康観察、健康づくりノート、保健室来室状況、保健指導実践等の結果や記録から実態を把握し、健康課題を明確にして、課題の解決につながる生活を継続して実践するための指導を推進する。
(2) 各教科、道徳、特別活動及び総合的な学習の時間との関連を図りながら、学校保健計画に基づき、教職員の共通理解のもと、組織的な健康教育を実践する。
(3) 家庭及び関係機関・地域等との連携を深め、生徒の健康課題の解決への意欲の高まりを的確に捉えて、継続的な指導を進める。
                    
 
2 指導内容と指導方法の工夫 
(1)   生徒が健康課題の解決に向けて継続的に実践するため、指導内容の精選や指導方法の工夫に努める。
・ 生徒の実態や各教科等との関連を考慮し、指導内容を精選する。
・ 多様な学習形態や指導方法を取り入れ、効果的な指導に努める。(グループ学習、体験的な学習、スキル学習、ピアサポート等)
・ 生徒による委員会活動の活性化を図る。
・ 家庭や地域等との連携を深め、学校保健委員会の企画・運営を工夫するなど、組織をかした活動の充実を図る。
 
(2) 健康課題に応じた教材や資料を作成・開発し、活用する
   ・ 専門家や関係機関等の協力を得て、効果的な指導を推進する。
 ・      学習環境を整備したり、科学的な資料や教材を作成・開発したりして、生徒の興味・関心を高め、学習への理解を深めることができるように工夫する。
 
(3) 養護教諭の専門性や保健室の機能を生かした指導を工夫する。
・ 健康教育のコーディネーターとしての役割を果たし、全教職員や学校三師・専門家等との連携を図りながら、組織的な実践を進める。
・ 心身の健康の悩みや問題を総合的に捉え、学校内の協力体制づくりと家庭・関係機関との連携を図りながら健康相談を行い、個に応じたきめ細かな指導や支援を行う。
・ 養護教諭の専門性を生かした記録や調査結果等を累積し、その活用を工夫する。

3 評価の工夫
(1)  ねらいに即して具体的な評価の観点を設定する。特に学級活動等では評価規準を作成し、生徒が取 り組む課題を明確に設定し、ねらいの達成度を把握する。
(2) 健康課題の解決を目指した実践の過程や成果を評価し、指導の改善を行い、継続化を図る。
(3)  生徒の自己評価や相互評価を活用して、一人一人の自己肯定感や実践への意欲を高める。
(4)  機会を捉えて家庭や地域等による評価を積極的に取り入れ、指導計画や指導方法の改善に生かす。
 

Ⅳ 研 究 方 法

 
 1 研究主題に対する共通理解を深め、各地区の独自性を生かした研究を進める。
 2 計画的・組織的に研究を進め、記録を累積・共有し、部員相互の連携を生かし
  て研究を深める。
 3 実践事例を基に、評価・改善し、研究を進める。
 4 各地区の情報交換を行い、相互に研究を深める。

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